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ミスチルのBOLEROの全曲レビュー

オリジナルアルバムの深海の発売から1年後に発売されたアルバムだが意外にも僕が手にした時期は遅かった。10年後にまさかブックオフで中古で買う事になるとは。

 

私的な事だが深海を買った頃はまだ高校生であったがこのアルバムの頃には卒業していた。少しだけ大人になったのか音楽に対する熱が少し冷めたのと高校生だった頃はミスチルのアルバムで共通の話題が出来たのだった。

 

閑話休題。あとは収録曲が良く知ったシングル曲ばかりで(全て持っていた)新曲が6曲といういわばミニアルバム状態のこのアルバム。食指が動かなかったのも事実である。

 

そんなミスチルのBOLEROの全曲レビューである。今回もインストゥルメンタルは割愛させてもらいます。

 

1.prologue [0:57]

2.Everything (It's you) [5:19]

歌詞が素敵過ぎる先行シングル曲。丁度発売された時期は僕もリアルに高校生を卒業間近であった。世間知らずで厨二気味だった少年時代を卒業し間近の僕。

 

歌詞にあるように心ある人の支えでなんとか生きていたと思う。そんな人として成長過程の過渡期にこのシングルの発売があった。刺さらない訳がない。

 

3.タイムマシーンに乗って [5:48]

どことなく海外の楽曲を思わせるナンバー。重厚なロックナンバー。歌詞もほどよく重たく暗くて皮肉チックだ。それでいて自虐的だ。

 

まだ深海の頃の病んでるミスチルを引き継いでいるかのようだ。イヤ、多分その頃よりももっと病んでるかのようだし尖りまくっている。それを緩和するかのように陽なシングル曲が散りばめられていてだいぶアルバムとしての色が少し明るく仕上がっている。

 

4.Brandnew my lover [4:46]

 

やはり病んでいたミスチルを代表するナンバー。こういうタイプの楽曲は黒夢V系バンドが扱っていそうだがそこにミスチルが手を出すとは。まさかであった。

 

この辺りの楽曲が深海以上に病んでいると僕は思う。だがその毒気はコンセプトアルバムだった深海ほどは感じない。深海は意図されて毒気満載にしてる感があったがこちらのアルバムは意識せず毒が漏れているようなイメージ。

 

だとしたら余計に怖いが(笑)ナチュラルに病んでる様が楽曲に現れている。

 

5.【es】 〜Theme of es〜 [5:49]

 

シングル曲。完成度は言うまでもなく高い最高傑作である。この曲も取りようによると暗く思えるがそれ以上に希望を感じる。

 

何が起こっても変じゃないそんな時代さ覚悟は出来てる。

 

この一文に象徴されるように世の中は激しく流れて変化し続けている。激動の世の中である。

 

喜びに触れたくて明日へ僕を走らせるes

 

僕らが生きている理由の答えなのかもしれない。リアルに僕はそう思う。僕らのes(欲望、本能)は何を渇望し何を得たいと願っているのか。明日に僕らを向かわせる原動力は何か。

 

それは喜びに触れること。単純明確な答えである。明日こそもっと絵が上手くなるはず、仕事が上手くいくはず、性格が明るくなるはず、お金が儲かるはず、童貞を卒業できるはず(笑)

 

この苦しみを超えた先にもっといい自分がいる。そんな微かな希望が残っていてバランスが取れているウチは僕らは死を選ばない。明日まで生きていて居たいもっと喜びに触れたい。そう願う生き物なのである。その本能を歌った楽曲である。壮大で圧巻としか言えない。

 

そして栄冠も成功も地位も名誉も意味ないと高らかに歌う。彼らにとって欲しかったものを手にした気分は実はこうだったんだという衝撃的事実。

 

6.シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜 [4:29]

 

シングル曲。この曲のイントロとEverything (It's you) のサビって似てません?わざと似せてるのかな?長年思ってる。

 

勢いに乗ってるミスチルが勢いそのまんまに出したシングルという印象。今となっては若さと勢いで気恥ずかしさすら感じるがそれは僕自身も大人になってしまったのもあるかもしれない。カラオケでよく歌われる曲。

 

7.傘の下の君に告ぐ [3:20]

 

かなりコンパクトにまとまった小曲といった感じだが歌詞といいテンポといい全てが完成度高くて僕の中では12を争う名曲。

 

だがカラオケで歌うには社会風刺が効き過ぎてるかも。本当に惜しい。マシンガンをぶっ放せとかフラジャイル系の歌。

 

深海の中に入れても良かったのかもなあ?病み加減は深海に近しいものを感じる。メッセージ性が高くて深海に溶け込める気がする。

 

8.ALIVE [6:39]

 

およそ6分を超える超大作。納得の出来。かなりの自信が伺える。桜井和寿のその当時の厭世思想が色濃く歌詞に出ている。自分の仕事を"馬鹿げた仕事"と歌詞の中に込めて評するあたりそうとう楽しくなかったのだろう。生きる事が。

 

そして"全部降りたい寝転んでたい"と投げやりに歌う。ネガティヴだ。まるで目にするのが痛々しいくらい暗い。そして答えは"さあ行こう"

 

そう、夢はなくとも希望はなくとも生きていく事が答えなんだと。昔、誰かの車でドライブしていてラジオでこの曲が流れて思わずハッとなった。こんなスーパースターでも病んでいてだけど前向きに生きようとしてるんだなと。凡人の僕もこの曲に救われた。

 

9幸せのカテゴリー [5:13]

 

ミスチルお得意な氷かけた恋人同士を描いた甘酸っぱい楽曲。渇いたKissやUFOといいこういうシチュエーションを描かせたら右に出るモノはないような彼ら。恋の終わり際の切ない気持ちってこうなんだなあ。

 

軽妙で聞きやすいポップな仕上がりになっている。他の楽曲で病み加減を味わい過ぎて疲れた時に丁度いい中和剤となりそう。

 

10.everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- [4:37]

 

シングル曲。この曲とシーソーゲームとラブコネクションは同じ仲間のような気がする。勢いのまま発表したような若さが溢れている。

 

メッセージ性が強いような強くないような。遊び心だけでとにかくまとめたような曲。多分あの時代の世間からのあの注目度であの流れだからこそ発表出来たような気がする。

 

11ボレロ [4:40]

 

ラヴェルとは違うミスチルボレロ。表題曲。図らずも5曲もシングルを入れる事になってこのアルバムはそうとうアルバム曲がキチンとしてないと聞き応えがないなと危惧していた。

 

しかしその危惧は危惧に終わった。表題曲のこの曲も高いレベルで完成している。

 

静かな入りから段々と盛り上がっていくあたり本家のボレロと同じものを感じる。バックで流れているのは多分ラヴェルボレロなのかな?

 

12.Tomorrow never knows  (remix) [5:08]

 

ラストを飾るのは誰もが知る名曲。シングル曲。僕はこの曲が音楽の教科書に載ってもいいのではないかと思ってる。是非載って欲しい。