このブログ、長らくM1グランプリの総評はしてなかったけど今年はやってみようと思う。この2024年大会の日に実は夜勤だったので生で観れなかった。後にYouTubeにあがってた動画を視聴するという僕にとってはイレギュラーな年であった。
今年は優勝候補と呼ばれる3組が初っ端から次々と順番に出る展開に。そりゃ大盛り上がりだろうけど後半に失速しないかと思いきや神様は番狂せを用意していた。それでは早速、各組の総評に。今回は前編につき5組紹介。
①令和ロマン
優勝候補の筆頭。すでにツカミから風格を見せる。子どもの苗字まで考えるというネタだけどストーリーテラーとしてのくるま氏の物語に一気に引きずりこまれてしまう。悔しい。
たぶん彼は漫画家とかやらせてみたらまた違う才能を発揮すると思う。漫才のネタも漫画やアニメから取ったネタも多い。漫才の中での山場の作り方を見ててそう思う。
2本目のネタで今回はやらないのかなと思ってたケムリ氏へのヒゲともみあげが繋がっているイジリも回収。隙のない展開。何より無駄が無いと思う。
限界まで剃り落とされた無駄のない展開と隙のなさ。このボケとツッコミ要る?とかこのクダリ要らないわーとかここの展開は不快とかそういうの一切なかった。優勝にふさわしいコンビだなと改めて思う。
優勝候補の一角であったと思うヤーレンズ。昨年で一気にハネて期待を背負っていざという感じだったに違いない。
だけど思わぬ展開に。思ってるよりハネずに今回は5位という結果に。ボケの安打製造機のような楢原氏のボケ。それが凶と出たような気がする。
こうなると一個も外せないのである。彼らのスタイルは去年確立したボケの大量生産のスタイルを今回も踏襲した形。なのに何ヶ所か今回は外していたのだ。一個も外せない漫才スタイルを選択した上でこれは痛手だ。
去年はかなり正確さでボケの大量生産で良品をたくさん生み出して僕らを圧倒してきたが今年になって大量生産は当たり前になってしまいその上で品質も見られるようになった。
目の肥えた視聴者はなかなか騙せないというか令和ロマンの隙のない完璧な漫才を見せられた後で見たらこの漫才はちょっと粗いなというのが令和ロマンと比較で見えたという印象。
優勝候補の一角。こんなに優勝候補を立て続けに出していいんかいという今大会。ミームと流行りを駆使して毎回いつも想像つかないようなネタを作ってくる。
彼らの武器は必殺ワードを毎回生み出すスピード感。ジブリ映画タイトルをダジャレにしたり既存のフレーズに何かプラスして面白い言葉にしたりよく目にする選挙ポスターの文言をいじって笑いにするので必ず誰もが目にしたモノを面白くするのに長けてる。
そのどこかで聞いたような言葉やフレーズが大喜利ボケとして小気味よく並べられていて音楽を聴いてるようで気持ちいい。
それだけに2本目は惜しいというかもったいない。沈黙と顔芸で魅せてその沈黙でうっすら長渕剛の曲が流れるというボケをやりたかったんだろうけどそこまで時間かけるボケか?と疑問に思う。1本目と違うスタイルを見せたかったのかもしれないがそれは要らなかった。
④マユリカ
敗者復活組。去年はずっきんプッチン不倫ですポンピーンという名言を残してインパクトを残したコンビ。平場でのキモダチいじりに怒るのも面白かった。
今回も一個一個のフリが長くてうんこサンドイッチがイマイチハマらずにそこから挽回することなく淡々と流れて弾けきれずに。
ネタの設定もありきたりなだけにボケの精度か手数かその設定からの思わぬ発想の飛躍とかもっと上を期待してしまう。もっと思わぬ角度からのボケとかツッコミとか見たかった。
平場でのやりとりの負けるために大急ぎで来たんですかは大爆笑した。あの平場での面白さを漫才の中で見たかった。
⑤ダイタク
ヒーローインタビューに見せかけたギリギリヤバいシチュを双子という武器で乗り切ったインタビュー。今までなかった設定(当たり前か)で設定は斬新。
全部のインタビューがハマっていて面白いというか感心する。よく聞くヒーローインタビューと窮地を乗り切ったエピソードがハマっていてそのマヌケさが良い。
ただ審査員も指摘していたがヒーローインタビューで終始するよりまた違う展開あったらもっとハネたのでは。それこそホリエモンが指摘していたM1グランプリの漫才は先が読めるというアレだった。