前回の記事。今回は続きから
○6組目 オズワルド 665点 1位
見事な掛け合い。これぞしゃべくり漫才の完成形を見た。ここまで上手い漫才を見せられたら最早言う事なし。
スタンドマイクからほとんど動かず早口でもなく声を張り上げるでもなく関東弁で淡々とボケて淡々とツッコむ。だけど後半に向けて尻上がりになる理想的な漫才。何か批評するのも野暮になるからこれ以上言える言葉が見つからない
○7組目 ロングコートダディ 649点 4位
多分だけどコント師というかコントに長けてるコンビかなと思った。笑いの量はかなり多かった。関係ないけどうどん屋で肉うどんを頼む人が増えただろうな。2文字タイムで拍手が巻き起こって客との謎の一体感も生まれスタジオもかなり湧いた。
ちょっとスタンドマイクに離れ過ぎたのが残念だった。それを象徴するかのような順位だったと思う。
○8組目 錦鯉 655位 2位
錦鯉については後でも語るとしてここではこのネタにだけにクローズアップする。なんか週刊少年ジャンプに出てきそうな頭も口も悪い熱血感な主人公のようなキャラクターのような感のあるまさのり。それを存分に活かした漫才。去年にキャラクターを浸透させれて良かった。
とにかくわかりやすい漫才で大人から子供まで笑えるのが素晴らしい。この境地にたどり着くまでにこれだけの歳月を費やしたと思うと感慨深い。
それとまさのりが歯が少ない事もありほとんど声を張り上げたままで抑揚がほとんどないにも関わらずそれで押し切ったのだから凄い。おそらく全て声を張り上げるだけでいける構成になってるんだろう。単純明確にただ楽しめた漫才だった。
○9組目 インディアンス 655点 3位
とにかくボケ数の多いインディアンス。機関銃のようにボケを乱射する。彼らは漫才がめちゃくちゃ上手い。
でもなんだろう。小ボケが多すぎていつもネタにまとまりがないというか見終わった後にこれって何のネタだったのか後に残らない。何度も見返してあの時こんな事言ってたのかと思い出すのだ。
多分ネタの本筋から脱線するボケもあったりするのも要因だろう。だけど面白い。恐怖心が行方不明でめちゃくちゃ湧いた。
○10組目 もも 645点 5位
キャリアの浅さが見えたのか弾け切るには至らなかった。だけどこのキャリアでこのネタを作ってきて披露できるのは恐ろしい。ブラッシュアップして磨きをかけたらもっと良化するのは間違いない。そうしたらこんな点数で終わる事はない。末恐ろしいというか将来有望すぎるコンビである。
○最終決戦
最終決戦はインディアンスと錦鯉とオズワルドで争う事に。みんな一本目よりややスケールダウンした感は否めないけどそれでも勝ち切ったのは錦鯉だった。
錦鯉が勝ってホッとして感動して泣いてる審査員もいた。なんだろう。僕も同じ気持ちだった。あの中で誰よりもオジサンがプライド捨てて誰よりもバカやって笑わせる事だけに集中して勝ち切った事に泣けてくるのだ。
しかもただバカなだけじゃなくて伏線を張ったり頭脳プレイを見せていた。優勝を逃した他の漫才師にも知的やセンスや巧さを持ったコンビも沢山いたが錦鯉はただ単純に笑える漫才を披露したと思う。簡単そうで難しいただただ楽しめて笑える漫才を。
YouTuberのシバターが錦鯉が優勝したのはもちろん素晴らしいけど諦めなければ夢が叶うと50代で優勝した事を美談にする風潮はどうかと言っていた。それは言わずもがなだなとも思う。この歳まで諦めずにやれば叶うと無責任に煽るマスコミの風潮はちょっとなあと。決していい例として取り上げるものではない。
昔はまさのりのキャラクターもダウンタウンの影響で今みたいなバカキャラじゃなかったらしい。だけどダウンタウンの松ちゃんになれないとわかってからバカキャラになってからの快進撃。そう。ダウンタウンに影響受けた芸人はダウンタウンになれないと気づいて独自のモノを模索してからが面白くなるのだ。
閑話休題。今年のM1グランプリは軽い感動もあって素晴らしかった。