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はちゃめちゃで妙にリアルなビートたけし原作の映画「教祖誕生」を語る

1993年に天間敏宏を監督に迎えて作られた教祖誕生って映画があるねんけどね。僕は確か大学生時代にテレビ大阪で年末にやってたのを見てめっちゃ面白かったのを覚えてる。

 

プロットは新興宗教団体に暇潰しとちょっとからかう(?)感じで入会した青年が一躍教祖になるまでを描いた超ブラックコメディー映画。ビートたけしも物語の中心で出てくる。あとは下條正巳岸辺一徳萩原聖人玉置浩二など。

 

妙に新興宗教団体の描写がリアルで。もちろん架空の団体なんだけど。団体は各地をマイクロバスで回りゲリラの青空説法で信者を獲得しようとしてる。めちゃくちゃ胡散臭い😅

 

今時、青空説法では多分誰も入会しないだろう。時代が戦後の混乱が続いていた日本でなら胡散臭くても入会する人もいたかも知れない。その当時は貧しいとか苦しい事とかから救われたいと藁に縋る思いで入会する人が居たと思う。

 

時代が変わって今はそこまで貧しいとか苦しいとかで入会する人が居ないと思う。それよりも社会で居場所がないとか暇を潰したいとか刺激が欲しいとか宗教団体に役割を与えてもらいそれを全うすることで喜びを感じるというような入会の動機では無いかと思う。

 

この映画の主人公の和夫もその1人だ。そのあたりの描写がイマの新興宗教を表している気がする。彼は偶然見つけたビートたけしらがドサ回りしてるインチキ臭い宗教団体の青空説法に興味津々。インチキ臭いのはわかっていながら絡みに行く。最初はインチキ臭い団体のおかしな部分を指摘したりからかっていたりした。

 

やがて幹部のビートたけしに軽く注意されるが懲りずにまだ着いていく。で、どうしても教祖がやってる手かざしショーにキャストで参加したいと志願。そこから一気に興味が湧いて和夫は暇だから入会したいと志願する。そう、なんの悩みもない青年が暇だから入会して教祖になる歪んだサクセスストーリーである。

 

この映画にはさまざまな宗教に対する思想や考え方を持ってるキャラクター同士が激突する。それぞれが自分の考えを持っている。

 

宗教をガチで捉えて本気で実践している融通が全く効かない厳格な駒村、乗せられてその気になって流されて教祖にまでなってしまう和夫、宗教を金儲けの道具に考えて教祖を裏でコントロールしているいやらしい大人で俗世丸出しの呉、司馬。

 

それぞれの宗教観を持つキャラが段々と互いにすれ違いながら終盤に事件を起こし崩壊し分裂していく。ビートたけしの映画なので過激なシーンや少し目に毒なシーンも多少はある。最後のシーンが傑作なので是非観てもらいたい。大爆笑した記憶がある。