ばるぼらをご存知でしょうか?1973年頃に手塚治虫が描いた漫画です。雑なイラストですが…これが主人公のばるぼらです。
どういうわけだか無職のフーテンで素行は悪し。野良犬のような凶暴さで汚らしい小娘というような描かれている。
そのばるぼらと腐れ縁で結ばれているのが美倉洋介。文芸作家だ。この男も一筋縄ではない。変態異常性を持つ心の持ち主だ。
成功も名声も興味がないようで女を見つけては夜な夜な異常な行動に出る。家庭も安定も興味が無い。
そんな美倉とばるぼらが衝突しながらも惹かれあいやがては結婚を決意するが事件が起きる。それからばるぼらは行方不明になり美倉は文章を書けなくなる。
というのが大体のストーリー。どこから夢でどこから現実かわからないようにしてるかのようで何回か見直さないとさっぱりわからない。
しかし手塚治虫はなんでこんな作品を出したのだろうか?やっぱり漫画の神様を目指していたから全ての漫画のジャンルは食べ尽くしたかっだのだろうか。見事に網羅したと思う。スポーツだけは書かなったんだんだっけ?
屈折しまくってる登場人物が異常な行動を取る様は読者を飽きさせず最後まで読ませてくれる。手塚治虫の少年向けの大人しい作品を知った人から見たらやや突き放すような猟奇作品である。
僕が思うに創作活動をする人間はエネルギッシュである。平凡な常識人間からはみ出ようとするとどこか異常をきたす所はある。そういう意味では作家の美倉が異常なのがわかる部分もある。