今までのあらすじ。
後編である。かくして、しくじりを犯した僕であるが大学に入ってからも同じようなしくじりを犯したのだ。
高校生生活を終えて自分の事を好きになってくれる女子が出来た事に少し自信を得た僕は大学に入ってからは積極的に動いてみようと決心。とりあえずすぐに10人くらいに声をかけてランチに誘ってみる事にした。
当時は携帯電話もそんなに普及してなくてメールもない時代、今みたいにネット上のやり取りで気軽に声をかけるやり方なんてなかった。ダイレクトに直接話しかけてダイレクトに誘うしかなかった。
面白いもので反応が即座にわかるから脈ありかなしかはその場ではっきりわかった。気のないリアクション、迷っている感じ、様々な反応であった。だがそんなに上手くいく事は無くて諦めかけてた時に1人の女子に出会う。
最初から良き反応だった。ランチの誘いにも乗ってくれた。優しい感じで物腰も良い。だがまだ僕には半信半疑だった。とりあえず連絡先交換してまた会えたらいいよねみたいな感じでその日は終わった。
そこからなんら進展する事なく数週間が経つ。しばらくすると学園祭の準備をしていた所に前編で述べた女子の時のようにまた彼女が激励の品を持って来てくれたのだ。またも僕のクラスを探してまで会いに来てくれたのだ。
そこで僕も思い出してみた。僕が彼女とランチで一緒した時の彼女の表情や言葉ちょっとしたしぐさや反応。それは単なる学友に向けられた感情じゃなくて僕の事が好きだったんだなとこうやって会いに来てくれた事と結びつけてはっきりとわかった。
…だけど僕はまたやらかしてしまう。まだ僕を好きになってくれる子がいる事が信じられなくてそこから男気を見せてその子の好意に答えてあげる事が出来ずにただ談笑して終わらせてしまった。素直になれなかった。僕もその子が好きだった。彼女は多分次の展開を待っていた。だから歩みよって会いに来てくれた。だけど僕が次の展開を作らなかった。
こうして2度に渡るしくじりを犯した僕はそれ以降は恋愛についてあまり上手くいく事はなかった。全ては僕が彼女達からの好きという気持ちに怖がって真正面に向き合えなかった事だと思う。
人はどれくらいの本気で自分の事を好きになってくれる異性に出会えるだろうか?少なくとも僕が今までの人生で出会えたのはその2人だけである。自分の事を好きでいてくれる人がいる。それも家族以外で。その嬉しさは何ものにも変えがたい。ゲームで二次元で推しのキャラに特別な台詞で告白されたのと比べ物にならないくらい何十倍も何百倍も嬉しいのである。
それから何度かは恋愛に挑んでみてお付き合いをする事もあったがなんら上手くいく事はなかった。理由は簡単である。それが全てではないけど僕らが先述した2人の時のようにお互いが同じように好きではなくてギクシャクして終わるのだった。
お付き合いしたものの相手が僕を好きじゃなくて僕の1人相撲で終わる事もあったし僕の方から好きになれなくて終わる事もあった。1人で勝手に好きになってる恋愛は苦しい。本当に報われない。
そこから学んだのは向こうにその気がないのなら潔く引いた方が良くてさっさと撤退した方がお互いのためだし僕が好きだから好きになって欲しいという好きの押し付けで押し通しても相手の気持ちが変わる事はほぼ無いなって。
たまに女友達だったはずなのにその枠を超えて全部突破してそれ以上の関係になろうとする人を見かけるが僕はそれは無理だなと思っている。
僕にも親しくしている女友達みたいな知り合いとかが今現在も何人もいるけどそれは友達や仲間と言ったその枠組みの中から飛び出す事をしないと僕が決めていてそれ以上を僕も相手も望んでいないしそれをしない事で安心というか信頼ができていると感じてる。
それなのにその枠組みをぶっ壊して暴走してそれ以上の関係になろうとすると拒絶されるのは明白である。僕はそういうの望んでいない相手に無理矢理迫る事なしない。そんなのが上手くいかないのは今までの経験でわかる。そしてそれをしたら今まで築いてきた関係が終わる事もはっきりわかっている。
そしてここから先、あるかどうかわからないけど僕に好意を向けてくれる人が再度現れるとしたら今度こそは逃げずに真っ直ぐに向き合って答えたいなと思っている。僕はそういうサインを送ってくれる人の事は見逃さないしちゃんと気づくようにする。2度もチャンスを棒に振ったから流石に気づく。僕もその人が好きだったらその時はきちんと誠意を見せたい。
そして、今彼女が欲しいと躍起になってる人が沢山いると思うけど僕から言える事は焦っても何もならないとだけは僕からは言えます。彼女できるなら誰でもいいわけじゃないだろうし焦らずにきちんと自分の事を好きになってくれる人が現れるまで。
やっぱり自分の事を好きになってくれない人と恋愛しても苦しい。それでいて自分もその子のことを好きになれないといつかどこかで苦しむ。苦しみに耐えてまでやるもんじゃないと僕は思う。本来は楽して楽しくやるもんだと思っている。恋愛は修行じゃない。
自分だけがバーって進むんじゃなくてきちんと相手の反応を待って相手の好意が自分に向けられてるのを確認しながら二人三脚でゆっくりと進むような恋愛が出来たら本当にいいと思う。それを実現出来なかった僕が言っても説得力ないかもだけど。