複雑に入り組んでいて難解で超展開の連続だったドラゴンボールの人造人間編について語ろうと思う。まずあのシリーズが開始した当時は僕はまだ中学生だったと記憶してる。
ちょっと中学生には難しすぎた。タイムトラベラーモノを理解するには中学生には無理だった(今も完全には理解出来てない)
まず人造人間編の開幕を告げるのが前の章の大ボスのフリーザ襲来。いきなり地球に襲来の時点で当時の僕含めて中学生は絶望した。
ベジータはまだ超サイヤ人になれないしフリーザを倒せる唯一の戦士の悟空も宇宙から帰って来ない状況。Z戦士は全員集結してお互いにもうおしまいだと確認しあう始末。そこに突然現れた足だけの描写された人物。
僕ら中学生はない頭を使って予想した。ナメック星人の新たな戦士とか悟空が居る星から来た戦士とかナッパとか生き残りのサイヤ人とか。だが実は蓋を開けるとブルマとベジータの息子の未来から来たトランクス。わかるかそんなの。
ドラゴンボールはチュートリアルというか次の章はこんなのですよと説明するのがめちゃくちゃ上手い。前の章のナメック星のボスのフリーザを瞬殺するトランクス。涼しい顔でゴミでも始末するのようにあっさり。
ところがそのトランクスですら手を焼く人造人間がもうすぐ襲来するという。トランクスの証言によると全員やられてトランクスですら心折られるくらい。これでこの人造人間編はあのフリーザなんかより比べモノにならない強さのボスとの戦いだと読者に教えるのだ。
この上書きシステムは見てるモノを興奮させてワクワクさせるシステムだと思う。鳥山明さんが上手いのはこのあたりだ。その弊害でその高いレベルの戦いについていけなくなったＺ戦士が続出したのはもったいないけど。
余談だがM1グランプリにもこの上書きシステムに似たモノを感じる。これも同様に見てる人をワクワクさせるのかも知れない。前半に爆笑をかっさらってた組よりさらに上回る組が出て来てこんなに面白いコンビよりまだ上が居るのかと興奮させられるのだ。余談でした。
ほいでこの人造人間編の特色は目まぐるしさだ。見てる僕らもめちゃくちゃ混乱した。倒す対象だった人造人間をあっさりと倒すベジータ。ベジータも超サイヤ人に変身して暫定トップになる。
ところがトランクスはそいつじゃないと言う。ホンマの人造人間とあいまみえてベジータがあっさり敗北。人造人間チームの圧勝でトランクスが絶望した人造人間たちにまだ及ばないのを知るZ戦士たち。
だが意外な人物がトップになる。ピッコロが神様と同化して最強に。立ち替わり入れ替わりで暫定トップがコロコロ変わる。
そこから先も人造人間16号がトップになったり突然横から来たセルがトップになり修行したベジータがまたトップになったり息をつかせぬ目まぐるしい展開に来週のジャンプが楽しみだった。
まず誰がこの章のボスになるのかが最後まで全然読めなかったな。まさかの横から来たセルになるとは。フリーザ編でフリーザで引っ張っていた僕からしたら思わせぶりで色んなキャラをボス候補にしたのは良かった。
そして強さの上書きシステム。苦戦してるボスを意外な人物な駆けつけて圧倒したかと思ったらまだ他にボスがいるとか。Z戦士の方も悟空はこの章ではあんまりだけど他の戦士が入れ替わりながら暫定トップを取りに行く。
そして最後に暫定トップを取ったのが悟飯というのがいい。悟飯は登場初期から善戦するも悟空の息子なら出来て当たり前と過小評価される始末。子どもの頃の悟空より今子どもの悟飯が潜在的な戦闘力は遥かに勝っていたのに注目されることは少なかった。
その伏線回収というかケリをつけれたのが良かった。悟空みたいに戦闘マニアじゃないし興味ないので才能を殺し続けていたが土壇場に才能を開花。暫定トップでイキっていたセルに鉄鎚をくだす。
そのあとで悪い面も開花したのかセルを舐めプでいたぶる悟飯。戦闘マニアの才能を開花したせいで変なスイッチが入る。戦闘経験の浅さとはじめての感覚でおかしくなってしまう。このあたりが悟空より未熟だった。
そのせいで悟空をみすみす死なせてしまう。セルの自爆に巻き込まれる悟空。とにかく見どころが多い。
あと忘れそうになるけどチョイ役で普通の人間代表のミスターサタンがこの章で初登場する。普通の人間として別次元の戦いを目の当たりにしてこんなのオレは認めないぞと最初は強がるどうしようもないおバカだった。
この章では目立つ活躍はないものの後に悟空たちの強さを認めて次の章の魔人ブウ編は悟空とは違うアプローチで地球を救うヒーローになる。そのミスターサタンの初登場したこの人造人間編は完成度高いので是非読んでくれよな。
