ゆるゆるサラリーマンのよろずブログ本舗

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スチャダラパーという地味に日本のヒップホップ界に革命起こしたグループについて

僕がスチャダラパーというグループを知ったのはいつ頃かな?確か僕が高校生くらいだったかも。その当時タモリボキャブラ天国とかいうおふざけ脱力系番組をやっていた。

 

視聴者からのクッソつまんない(冷静に考えてみたら)ダジャレを大人たちが全力でお金かけてVTR作って力技で笑わせる番組である。バカバカしいことを全力でやる優良番組であった。

 

そのエンディングで流れていたのが今夜はブギーバックだった。その当時アイドル的な人気の小沢健二スチャダラパーのコラボ曲だ。残念ながらそのエンディングではスチャダラパーのラップ部分は流れない。

 

僕は確かそのCDを買った。しかも間違えてスチャダラパーパート多めのバージョンだ。僕は小沢健二バージョンが欲しかったがまあいい。聴いてみた。

 

なんつーかショッキングだった。確かはじめてヒップホップ音楽を聴いたのかも知れない。なんじゃこのナンセンスな脱力系おバカワールドは。天才バカボンとアラレちゃんを足してぐっちゃぐちゃにミックスしたようなナンセンス意味ナシ音楽だった。

 

リリックの並びがごっつ気持ちいいのだ。はじめての体験である。僕は音楽の門戸は広い。どんな音楽でも聴いてしまう。抵抗はない。フトコロの広さはアケボノなみ(スチャダラパーの歌詞から引用)良いモンは素直に良いと認める。音楽とは深く考えず楽しむモンだと教えられた。

 

早速このスチャダラパーのナンセンスワールドを試してみたくてカラオケで歌ったが大ウケであった。丁度MAICCA -まいっか-という脱力系ヒップホップも流行っていてスチャダラパーの脱力音楽はすんなり世間に受け入れられた。

 

それから少しして名盤5th wheel 2 the Coachを買ってみた。スチャダラパーのフルアルバムである。僕はこのアルバムヒップホップ界の金字塔と勝手に総称している。

 

こうもやる気ない音楽がなんでこんなに楽しいのか。まだ日本にヒップホップをやる人が少ない時代に開拓した開拓者のフロンティア精神あふれる一作に仕上がっている。

 

このあとに続く2000年代のヒップホップ音楽の妙なブームの頃には脱力系は息をひそめていた。その代わりに出てきたのが海外の正統派の流れを汲んだようなヒップホップグループだった。

 

不良みたいな出立ちだったり社会を斬るようなメッセージの強いのとか英語を交えたのとかカッコいい系が現れたがスチャダラパーは明らかに異端だ。全然怖くないユルい兄ちゃんのユルいラップなのである。

 

まだ日本のヒップホップ音楽界が賑わう前にゆるーいラップでヒップホップ界を支えていたスチャダラパーは地味に革命を起こしている。マジで。あまり知られてはいないが。

 

5th wheel 2 the Coachは特に金字塔的作品なのでおすすめしたい。怖い兄ちゃんのヒップホップが苦手な人でも普通に聴けて楽しい名盤になっているので。