ゆるゆるサラリーマンのよろずブログ本舗

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今更ながら映画「さや侍」はどうしたら良くなったか考えた

僕はちょっとした松本人志ファンではあるものの彼の映画に対してはみんなと同じで才能無いわなーという意見。今まで発表した作品の中から唯一なんとかなりそうなのはさや侍かなと思う。

 

有識者というか映画評論してる人たちが指摘してる通りまずは身近なテレビマンばかりで固めすぎて映画のプロと仕事しなかったのはまずいと思う。特に脚本は駄目すぎる。ストーリーはてんで駄目。これは一流の脚本家に任せるべきだった。

 

ストーリーは作り込んだ方が良かった。野見さんの芸の方をたっぷり見せたかったかも知れないけどそれはテレビで充分だ。お笑い映画にするには中途半端過ぎる。

 

この映画の致命的なのはどちらかに振り切ってない中途半端さだ。感動物にしたいかお笑い映画にしたいのか。感動物にするなら最初のギャグシーンから見直すべきだった。最初の刺客のシーンからギャグ風に持っていってるのは違和感しかない。

 

この映画多分もう少し手を加えたらなんとかなると思う。僕が作るなら感動物に振り切った映画にする。ギャグシーンはほとんど作らない。30日の業にクローズアップしすぎるのはあまりにも勿体ない。

 

野見さんの娘のたえは母を亡くしたという設定があるのにそれを活かしてないのは勿体なさすぎる。回想シーンは絶対に入れるべきだった。

 

野見さんと娘のたえと母との楽しかった頃の思い出とか能見さんがまだ生き生きとしてた頃の描写を入れてこそ今の抜け殻になった能見さんとの対比で観てる僕らは多少なりとも納得感が生まれる。大事な人を失うとこんなに変わるのかと。

 

娘のたえの心の成長も描くべきだった。あんだけ父の能見さんに批判的だったはずなのに。途中でサジを投げたのに門番達との作戦会議に入ってくるのは都合良すぎる。確かに唐突過ぎる。  

 

きちんと父とたえとの会話劇を描くべきだったと思う。会話が無さ過ぎる。徐々に雪解けして互いのすれ違いや思いの丈をぶつける描写が絶対必要だ。ストーリーが無いというのはこういうところで綻びになって現れている。

 

それでも最後のどんでん返しは良かった。能見さんの最後のああいう裏切り方はそのまんま使える。ストーリーをきちんと作り込んでいればあそこはそこまで違和感なく使えていたと思う

 

あとは竹原ピストルのあのくだりは要らなかったかな。父からの思いは手紙に託したという事だけど。そんな感じにするなら生前にもっと会話しとけよとなる。口ベタだからそうしたのかも知れないが。

 

大ラストの最後の姫君と遊ぶシーンはいいと思う。あれはそのまんまでいい。なんにせよ緊迫感とか切ない感じが最後の方しか出てないのが残念だ。最初から最後までまで緊迫した感じで息をもつかせない展開にして欲しかった。あんだけ最後の方にいい感じに持っていけるなら最初から何故やらない。

 

凄い惜しい作品でやりようによっては化けるかなと僕は思っている。松本人志は自分の色というかオリジナルの発想というのにこだわりが強すぎてストーリーの人ではなく発想の人なんだなと改めてかんじた。

 

だからこそ脚本は身内で固めずにきちんとプロに任せて欲しかった。まあ、もちろんそれをしないからこその松本人志という感じがしなくもないけど。