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この前までハードに生きてきたが、ゆるく生きようをモットーに生きてるユルリーマンのブログ。

ミスチルのIT'S A WONDERFUL WORLD全曲レビュー

今までのレビュー。

 

 

uosando.hateblo.jp

 

 

 

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お待たせしましたミスチルのアルバムレビュー。アルバムレビューはめちゃくちゃ時間がかかる故にどうしても後回しになるのです。このアルバム2000年代ミスチルの最高峰に値すると個人的には思っている。

 

実験的で挑戦的な前作と比べてポップでじつに入りやすいわかりやすい作品である。僕はこっちのタイプのアルバムの方が好き。捨て曲がほとんどない完璧な布陣。というわけで本題に入ってく。例によりインスト曲はレビューからのぞかせてもらいます。

 

1.overture

 

2.蘇生

 

アルバムののっけからなんだこの完璧な仕上がりは。文句なしの名曲。インストの一曲目からの流れで見事な感じ。曲の中で憧れや理想を手にしてもその喜びは薄れて消えていくという物事の真理を突いてくる。

 

でも何度でも蘇生して僕は生まれ変わっていくと歌う。生きていく意味を与えてくれるような前向きな歌詞。まだ叶えたい夢があるんだと訴える。アルバムののっけから一気に心を奪われる。このアルバムは当たりかもと思わされる。

 

3.Dear wonderful world

 

不思議なフワフワした雰囲気の中からはじまる曲。非常に短いブリッジ的な曲である。このアルバムの主題である醜くくも美しい世界というキーワードをここで出してきた。ここからワンダフルワールド開幕を告げるような感じにも聞こえる。

 

4.one two three

 

冴えないどこにでも居そうな何者でもない男が振られて失敗しても前向きに進もうとする明るい楽曲。戦闘服よりブレザーがよく似合うという元彼女から最大級のイヤミと皮肉を言われながらも何とか前に進もうとする主人公。

 

そしてサビで別の未来へと向くベクトルと歌う。ちょっと物悲しい。失敗しなきゃまた違う世界線に進めていたのかなと考えると。そして大人になりきれなくて逆恨みした事もあると暴露するが今は感謝してると主人公は歌う。最後にアントニオ猪木の道の朗読が入ってる。もちろん1.2.3ダァー‼︎も入っている。

 

5.渇いたkiss

 

ミスチルのアルバム曲の中でトップクラスを誇るクオリティーのアルバム曲。ライブで聴きたい曲のランキングでも上位に入っている。僕もよくカラオケで歌う。

 

切なすぎる失恋曲。キミが最後の言葉を口にする前に渇いたkissで塞いでしまいたいと未練たらしく歌う。男が醜く足掻く様を表している。まさしく醜くくも美しい世界。

 

失恋曲なんだけどどことなくポップでとっつきやすい。直接的な表現は避けてどちらかというと抽象的な表現で表している。2番目のサビの歌詞では自分を選ばなかった相手に呪いをかけてるような描写にも見えるwでもどことなく憎めない男。艶っぽい一曲。

 

6.youthful days

 

ドラマのアンティー西洋骨董洋菓子店の主題歌。かなりヒットしたシングル曲。ここまでほぼ完璧な布陣である。捨て曲無しである。

 

歌詞をよく聴くとエロいんだけど絶妙にそれを思わせない。巧みな技術である。

 

7.ファスナー

 

このアルバムはよく聴くと恋愛曲が多いみたい。女性リスナー向けなのかなぁ?この曲もそんな感じ。こちらもエロいんだけど絶妙に避けてなんとか聴けるテイストに仕上げている。

 

男が伺い知る事のできない女の二面性というか僕が知らない裏の顔がファスナーの向こう側にあると歌う。知りたいけど知りたくないみたいな。スガシカオを意識して作られたと桜井和寿は語る。確かにスガシカオが作りそう。

 

8.Bird Cage

 

壮大な失恋曲。とことんお前の悲しみに付き合うぜみたいな悲しみのドン底までたたき落とすような楽曲。無慈悲さが心地よい。これくらいやってくれた方が良い。

 

"話し合っても何も分かり合えないけど終わりにするって事だけは同じ"と歌う。こんなところだけ妙に彼女と気が合ってるって現実が切ない。一緒になろうとしてる男女を鳥かごに喩えて歌う。そして鳥かごから解き放たれて自由になってしまおうと宣言する。

 

9.LOVE はじめました

 

ミスチルお得意の社会風刺曲。そういえばこういう刺しにくる曲アルバムの中でこれだけかも。タイトルにもあるように醜くいものというかセックスとか大人の汚いものを受け入れて人としていつのまにか大人になりましたと歌う。

 

当然この世界では無垢で純情なままでは生き辛い。醜くくて美しい世界なのである。醜くいものも受けいれていかなきゃ大人になれないのである。

 

10.UFO

 

本当にこのアルバムは捨て曲がほとんどない。完璧すぎる布陣と評するにふさわしい。入り方が素晴らしい。男女がこの現実を直視できず逃避するようにUFO来ないかなと現実にないモノに頼ってしまいフワフワした気持ちを歌う。そんな漫画みたいな奇跡を本気で願っている。

 

UFOを遥か彼方から飛来する未知の光と表現するのが美しい。ミスチル桜井和寿は直接的な表現がほとんど少ない。こういう巧みな表現をさせたら天才的である。多分彼は小説家になっても成功する。表現のプロである。

 

11.Drawing

 

静かなイントロからはじまる穏やかな楽曲。なんだろう。完璧すぎる布陣やめてもらえませんか?(ひろゆき風)ここまで全く捨て曲ないんですが。全然派手さがない地味な曲だけどめちゃくちゃ好き。時間が経てば好きになるスルメ曲かもしれないね。

 

12.君が好き

 

いつもタイトルに凝ってるミスチルが放つベタすぎるタイトルの楽曲。こんなベタな曲も作るんだなと。あえてなのかな。シングル曲にもなっている。くたびれた自販機という表現が好き。ミスチルはよく自販機という言葉を歌詞に巧みにいれてくる。

 

13.いつでも微笑みを

 

レコードを入れてレコード針が通るところからはじまるようなイントロ。確かなんかの保険のコマーシャルの曲にもなってた気がする。レトロな雰囲気である。優しくかわいい小曲である。

 

14.優しい歌

 

このアルバムの中では珍しく内省的な楽曲である。誰かが救いの手を差し出してるけど今は気づけていないと歌う。力強く自分を鼓舞するようなそんな感じ。終わりなき旅系って言ったらわかりやすいかな。

 

大切なモノに気づいて狂おしくなるという表現が素晴らしい。優しい歌忘れてた。誰かのために小さな火をくべるような優しい歌を歌いたいと訴える。ロックで泥臭い男の歌である。

 

15.It's a wonderful world

 

なんだろな。これで最後の曲だけど完璧すぎて笑うんですけどね。やめてもらえませんか。ストリングスが入ってる壮大な楽曲。このアルバムを〆るにふさわしいのです。通り雨が上がるまでカプチーノでも頼んで待とうと歌う。

 

カプチーノという身近で安っぽいって言ったら語弊があるけどそんなモノを歌詞に持ってくるあたりのセンスというか感覚が素晴らしい。